忘れちゃいけない 今ここ

のもに

2013年12月20日 11:36



だんだん本格的な冬へと進んでいる。
そんな冬を詠んだ芭蕉の句に、
ごを焚いて 手拭いあぶる 寒さかなというのがある。
ごというのは、松の枯れ葉の事で、三河や尾張地方の方言とされる。

この句の意味は、読んで字の如くだが、
普通であれば、たき火に対しては、両の手をかざすところだろうが、
手拭いを温めていると詠んでいる。
その当時、手拭いは、旅には欠かせない大切なもの。
自分の両の手を温めるより先に、
旅の相棒である手拭いをあぶるということらしい。
いわば、旅の大切な友。


大切な友という表現で最高度の言葉は、
おそらく刎頸(ふんけい)の友ないしは刎頸の交わりと呼ぶ言葉だろう。
お互いに首を斬られても後悔しないような仲
という意味になる。
中国の『史記』の中に出てくる故事から生まれた言葉だが、
この言葉が、
一躍、日本で知られる事になった事件があった。

それは、首相であった田中角栄氏がロッキード事件で追究を受け、
そこで国会の証人喚問を受けた当時の国際興業社長だった小佐野賢治氏が、
田中角栄氏との関係を訊かれた際に
刎頸の交わりと答えたことで知られる事となった。

喚問で、その言葉以上に有名になったのは、
小佐野氏が、質問を受ける都度、繰り返した逃げの答弁の言葉、
『記憶にございません』。

これは、当時の流行語にもなったが、
40年の時を経て復活しているようだ。

今、とある人物の口から頻繁に、この言葉が出ている。

汗をタラタラ流しながら、、。

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